この記事の要点
- 一番の違いは作法ではなく「会社の構造」。コンサルは役割と序列がはっきり分かれたトップダウンの組織だった
- コンサルが売っているのはスライドそのもの。だから1文字・1ptのズレにまでこだわる。事業会社の感覚とは真逆だった
- 自分の動きで新しいことを起こしたい人ほど、窮屈に感じやすい
- それでも「ロジックを妥協しない」「リスクを見逃さない」姿勢は、事業会社に戻っても使い続けたい
結論:事業会社と外資コンサルの違いは、資料の作り方のような作法ではなく、「何にお金が払われているか」という仕事の前提そのものでした。
私はエンタメ系のメガベンチャーで約5年、マーケと新規事業の責任者を経験したあと、外資コンサルに転職しました。
入ってみて驚いたことを、事業会社の人が想像しやすい形で整理します。
違い①:組織の構造。役割と序列で動く
一番大きかったのは、会社の構造です。
コンサルは、ポジションによって役割が明確に分かれていて、トップダウンで、序列に依存して動く組織でした。
自分の判断や動きで、新しいことを始めたり、何かを変えたりする余地はほとんどありません。
事業会社、特にベンチャー気質の会社では、若手でも「これをやるべきだ」と思えば自分で動いて形にできます。
その働き方で成果を出してきた人ほど、コンサルの構造は窮屈に感じると思います。私もそうでした。
違い②:スライドの1文字、1ptのズレに命をかける
入社してすぐ、衝撃を受けたことがあります。
コンサルは、パワーポイントのスライドを成果物として納品します。クライアントがお金を払っているのは、主に定例会議で使うスライドと、最終成果物としてのスライドです(もちろんそれだけではありませんが)。
だから、スライドの一文字、図の1ptのズレ、日本語の一言の表現にまで徹底的にこだわります。
事業会社の感覚からすると、スライドの細部に時間をかけるのは、むしろ「悪」です。そんな時間があるなら、事業を前に進めるアクションに使いたい。私もずっとそう考えてきました。
ただ、売っているものが違えば、こだわるべきところも違う。スライドが商品である以上、細部の品質は商品の品質そのものです。
価値観としては合わないと感じつつも、「何にお金が払われているか」で仕事の作法が決まるという視点は、新しい学びでした。
違いを一覧にすると
| 事業会社(ベンチャー気質) | 外資コンサル | |
|---|---|---|
| お金が払われるもの | 事業の成果(売上・ユーザー) | 主にスライドなどの成果物 |
| 時間をかけるべきところ | 事業を前に進めるアクション | 成果物の品質(細部まで) |
| 意思決定 | 現場の裁量が大きい | トップダウン・序列に依存 |
| 新しいことを始める余地 | 大きい | 小さい |
※ 私が経験した範囲での比較です。会社や部署によって違いはあります。
それでも、事業会社に持ち帰りたいスキル
合わない部分はありましたが、身についたこともはっきりあります。事業会社に戻っても使い続けたいのは、次の3つです。
- ロジックを妥協しない
- リスクを見逃さない
- 「本当に問題はないのか」「本当に実現できるのか」を考えきる
事業会社はスピードを優先するぶん、ここが甘くなりがちです。スピードを落とさずに、この3つを習慣にできれば、事業会社でも強みになると思っています。
こんな人は、ギャップが大きくなりやすい
- 事業会社で、自分の判断で新しいことを起こして評価されてきた人
- 成果物の見た目より、事業の数字に価値を感じる人
- 現場で周りを巻き込みながら仕事を進めるのが好きな人
当てはまるからといって、コンサルに行くべきではない、という話ではありません。入社前に、この違いを知ったうえで判断してほしい、ということです。私が辞めると決めた経緯はこちらの記事に書いています。
よくある質問
Q. 事業会社とコンサルで一番違うことは何ですか?
A. 私の場合は、組織の構造でした。コンサルは役割と序列がはっきりしたトップダウンの組織で、自分の判断で新しいことを起こす余地は小さいと感じました。
Q. コンサルはなぜ資料の細部にこだわるのですか?
A. スライドなどの成果物そのものに、クライアントがお金を払っているからです。成果物の細部の品質が、そのまま商品の品質になります。
Q. コンサルで身につくスキルは、事業会社でも役に立ちますか?
A. 役に立つと思います。私は「ロジックを妥協しない」「リスクを見逃さない」「実現できるかを考えきる」の3つを、事業会社でも使い続けたいと考えています。
コンサルに行くか迷っているなら
入社前に、そのファームの働き方や組織の雰囲気を、コンサル業界に詳しい人から聞いておくことをおすすめします。私が実際に使い、内定までサポートしてもらったエージェントはこちらです。
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