この記事の要点
- 事業会社(エンタメ系のメガベンチャー)出身の私が、外資コンサルを入社半年で辞めると決めた
- 理由は「入社直後の組織方針の変更で、合意していた役割を担えなくなった」が7割、「コンサルの働き方が合わなかった」が3割
- 一方で、資料作成・言葉づかい・論理思考といったビジネスの基礎は、コンサルで大きく伸びた
- 短期離職でも「語れる専門性」と「前向きな理由」があれば、過度に恐れる必要はないと考えている
結論から書きます。私は外資コンサルに中途で入社し、半年で辞めると決めました。
理由は2つあります。比重で言うと7:3です。
- 入社直後に組織の方針が変わり、入社時に合意していた役割を担えなくなった(7)
- コンサルという働き方そのものに、自分が合わないと分かった(3)
この記事は「コンサルはやめとけ」という話ではありません。実際、コンサルで得たものもはっきりあります。
事業会社からコンサルへの転職を考えている人と、コンサルに入ったものの辞めたいと感じている人に向けて、当事者として判断材料を置いておきます。
書いている人:事業会社で5年、そしてコンサルへ
新卒で入ったエンタメ系のメガベンチャーに約5年いました。toCサービスのマーケター、マーケティング責任者、社内新規事業の立ち上げ責任者を経験しています。
事業成果に責任を持ち、チームを率い、経営会議にも出る。事業会社の中では、それなりに大きな裁量とミッションを任されていた方だと思います。
そこからアラサーで、外資コンサルに転職しました。
なぜコンサルを選んだのか
理由はシンプルです。将来のキャリアのために、経営に近い最前線でB2Bの経験を積みたかったからです。
toCの事業会社にいると、どうしても「自社サービスをどう伸ばすか」が仕事の中心になります。それ自体は面白いのですが、
「経営レベルの意思決定」や「他社・他業界の課題」に触れる機会は限られます。
加えて、未経験の領域に飛び込めるのは30歳前までだろう、という肌感もありました。「行くなら今しかない」と考えたのが本音です。
理由①:入社直後に、前提が崩れた
入社してすぐ、組織の方針が大きく変わりました。
その結果、面接で話し合い、合意していた役割を担える状況ではなくなりました。
これは誰かが悪いという話ではなく、組織にはそういうことが起こりうる、ということです。
ただ、転職の目的そのものが「その役割で経験を積むこと」だった私にとっては、前提がまるごと崩れたことになります。
ここが一番伝えたいことです。
中途入社では「入社後に何をするか」が転職の価値のほぼすべてです。そしてそれは、入社後に変わりうる。
私はこのリスクを、転職の時点でほとんど織り込んでいませんでした。
理由②:働き方のギャップ
方針の変更がなければ、もう少し続けていたと思います。それでも、入社前の想像と違ったことは3つありました。
1. 企業文化
事業会社、特にベンチャー気質の会社では「事業の成果」に向かってみんなが動きます。
コンサルの文化は、良くも悪くもそれとはまったく別物でした。どちらが正しいではなく、自分の価値観がどちらに馴染むかの問題です。
2. 上司やチームとの連携の薄さ
事業会社では、上司やチームと密に連携して一緒に事業をつくるのが当たり前でした。
入社した組織では、その連携をほとんど感じられませんでした。
3. 社内に「過去の知見」が蓄積されていない
コンサルは知見の会社だというイメージがあったので、過去の案件の資料や知見を参照できる環境を想像していました。
少なくとも私が見た範囲では、それがほぼ見当たらず、毎回ゼロから組み立てる感覚でした。
「中途未経験」の現実
そしてもう一つ。中途の未経験者は「個人」として見られていないと感じたことです。
その人の経験や強みを理解したうえで「だからこの案件に」とアサインされるわけではない。空いている枠を埋める、顔の見えない人員の一人として扱われる。少なくとも私はそう感じました。
面接で話した期待値も、自分の得意領域も、アサインの判断材料にはほとんど入っていない印象でした。
事業会社で「あなただから任せる」という仕事の任され方をしてきた人ほど、ここのギャップは大きいと思います。
それでも、コンサルで得たもの
半年でしたが、得たものははっきりあります。
ビジネスパーソンとしての「足元」が固まったことです。
事業会社、特にベンチャーや新規事業の現場は、良くも悪くも成果がすべてです。そのぶん、
- 議事録やスライドの作法
- 場面に応じた適切な日本語(話し言葉も、文書も)
- ロジカルシンキングやフレームワークの使いこなし
といった基礎は、自己流のまま進みがちです。
コンサルでは、これらを当たり前の水準として徹底的にやらされます。
事業会社では一部の優秀な人しか使いこなしていなかった考え方を、コンサルではほぼ全員が前提として持っている。
それまで「知っている」つもりだったものを「使いこなす」レベルに引き上げてくれたのは、間違いなくコンサルでの半年でした。
辞めると決めるまで
辞めると決めたのは、入社して6ヶ月目です。
家族、友人、そして転職エージェントに相談しました。
社内の人には相談していません。方針が変わった当事者の組織の中で、フラットな意見をもらうのは難しいと考えたからです。
一方、コンサル業界に詳しいエージェントには、「短期で辞めた場合、市場でどう見られるか」を客観的に聞けたのが大きかったです。
同じように迷っている人へ
コンサルに行くか迷っている、事業会社の20代へ
覚悟を持って行ってください。
特に、事業会社で大きなポジションやミッションを任されている人は、最初は一人のメンバーとして扱われます。そしてそれが、3〜5年は続くと考えておいた方がいいです。
それでもキャリアチェンジをしたいなら、「3〜5年は沈む」前提で行く。この覚悟があるかどうかが、分かれ目だと思います。
コンサルを辞めたいけど、短期離職が怖い人へ
私の考えは、次の2つが揃っているなら過度に恐れなくていい、というものです。
- 前職で「私はこれができる」と語れる専門性がある(相手がすぐ理解できるレベルで)
- 辞める理由が、後ろ向きな理由だけではない(次に何をしたいかを語れる)
一般に、短期離職は選考でほぼ確実に理由を聞かれると言われます。逆に言えば、上の2つを自分の言葉で説明できれば、それは「不利な経歴」ではなく「判断の速さ」として伝わる可能性があります。
※ 私自身は、これから選考を受けるところです。実際に面接でどう聞かれ、どう答えたかは、別の記事で追記します。
よくある質問
Q. 事業会社からコンサルに転職して後悔する人は多い?
A. 統計的なことは分かりませんが、私の場合は「入社後の役割が変わりうる」ことを織り込んでいなかったのが後悔の主な原因でした。事業会社で裁量の大きい仕事をしていた人ほど、最初の数年の扱われ方にギャップを感じやすいと思います。
Q. コンサルを半年で辞めるのは早すぎる?
A. 辞める理由と、次に何をしたいかを説明できるなら、期間の長さだけで判断する必要はないと考えています。私は家族・友人・エージェントに相談し、客観的な見え方を確認してから決めました。
Q. コンサルで半年働いて得られるものはある?
A. あります。私の場合は、議事録やスライドの作法、場面に応じた言葉づかい、論理思考の使いこなしが大きく伸びました。
まずは「市場での自分の見え方」を知るところから
辞めるかどうかを決める前に、私が一番やってよかったのは、コンサル業界に詳しいエージェントに客観的な見え方を聞いたことです。
自分の中だけで考えていると、「短期離職=終わり」と思い込みがちです。外から見た評価を知るだけで、判断はかなり冷静になります。
私が実際に使っているのは、コンサル出身者の転職に強いエージェントです。
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